ウェブトゥーン先駆者カン・プル(강풀)-その作品の魅力

By | 2015年7月19日

先の記事でウェブトゥーン作家カン・プル(강풀)のことを少し書きましたが、ここではもう少し詳しく紹介してみたいと思います。

カン・プル作品の特徴

ウェブトゥーンが韓国的コンテンツとして位置づけられる所以として「オンラインでの閲覧に特化した作画」「ポータルサイトによる全面的なプロモート」等の要因も大きいですが、そこにカン・プルの韓国的コンテンツが乗っかって拡散したことが、以後ウェブトゥーンの位置付けを決定的なものにしたといっても過言ではないでしょう。

カン・プルの紹介はソウルの書店’COMIC COZZLE’店長キム・ヨンホさんの記事に詳しく紹介されています。

韓国ウェブトゥーンの第一人者- 映画・ドラマ・舞台から愛される漫画家・カンプル (Hwaiting!)

これまでの作品をあえてジャンル分けするとすれば、純情もの・ミステリー・ホラー等になると思います。上のサイトでキムさんが紹介しているように、全てに共通する特徴として、とにかくストーリーが緻密なのです。連載の初頭部分では脈絡の分からない場面やストーリーが、後半~終盤で全部繋がるダイナミックさは、一度体験するとなかなか抜け出せない魅力があるのです。

カン・プル作品の最大の魅力

それ以上、「これがカン・プル作品の最大の魅力だ!」と個人的に感じるのは、随所に散りばめられた「超・韓国的な人情味」ではないかと思うのです。

たとえば、私がいくつか読んだ中で、特に感動したのが「あなたのすべての瞬間」(당신의 모든 순간)という作品。人類のほぼすべてがゾンビになってしまう所から始まるストーリーなので、最初はホラー作品なのかなと思いながら読み進めましたが、物語はその中で生き残った男女の思いを中心に展開し……しかもそれは単純な恋愛ではなく、どこまでも突き抜けるような人間愛の描写であったことが、終盤で明らかになるのです。

この作品を徹夜で読み通した日の明け方、目が真っ赤に腫れるほど泣き晴らし、その後しばらく「本当に人を愛するって、どういうことなんだろう?」と、かなり真剣に考えさせられました(笑)。

……それはさておき、このストーリーの妙味と人情味あふれるカン・プルが、ポータルサイトの全面プロモートのもとでウェブを通して拡散したことが、ウェブトゥーンの歴史の実質的な幕開けになったといえるのではないかと思っています。

日本語で鑑賞できるカン・プル映画

カン・プルのウェブトゥーン、ぜひ日本の人にも読んでほしいのですが、知りうる限り、まだ日本語に翻訳はされていないようです。ならばいっそ自分が翻訳したい!とも思うのですが、この世界観を日本語で再現することを考えると、正直気が遠くなりそうです……。

ただ、カン・プル原作もしくは原案の作品は多数映画されており、なかには日本語で公開されているものもあります。興味のある方は、とりあえずそちらからご覧いただくのがよろしいかと思います。

「拝啓、愛しています」(2012)

「痛み」(2012)

予告動画

「アパートメント」(2007)

詳しくは映画.comのサイトで。カン・プル 作品一覧(映画.com)

韓流コンテンツの可能性

昨今の韓流ブームで、日本にもたくさんのコンテンツが入ってきましたが、それらとはまた違った角度のもので、まだまだ面白いものがいっぱい眠っていると思います。

先に紹介したK-Pop Starもそうですが、韓国語を知ってみると、韓国独特の優良コンテンツに直接接することができるのが、とても大きな魅力なのです。ただ自分で楽しむだけでなく、今後、そういったものを少しでも多く紹介し、できればその翻訳に携われたらいいなと考えています。

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